俺は4時15分。

バッキー・イノウエとワイワイナワイモ。

ヴィンテージ鍋でやる、貝ジャカ。

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ずいぶん長いあいだ鍋と道中してきた。子供の頃に好きだった鍋は湯豆腐だった。うちの湯豆腐は鍋の中に茶碗蒸しに使うお椀が置かれていてその中にダシ醤油が入っていた。その温まったダシ醤油と鰹節とネギをたくさんかけて豆腐をエンドレス食べた。すき焼き鍋で牛肉の変わりにおあげを入れたすき焼きも好きだった。京都はなんでもおあげを使う。
 青年になって酒を飲むようになってからは職人さん達と一緒に食べる本家での水炊きがたまらなかった。骨付きのブツ切りを大きな土鍋に炊く前からどっさり入れる本気の水炊きで、職人さん達と伏見の富翁の二級酒をコップでガンガン飲みながら骨まで噛みくだくような勢いでかしわを食べた。そしていいダシが出たスープはコップ酒によく合った。
 働き始めてからは街でも鍋をよく食べた。フグ屋のてっちりやすき焼き屋のすき焼きやしゃぶしゃぶはハードルが高く、俺がよく行ったのはちゃんことひとりしゃぶしゃぶだった。
 ちゃんこを食べるのはいつも真夜中だった。四人ぐらいで行ってちゃんこを一人前だけ注文し、酒とダシを飲み続けていた。そのちゃんこ屋さんはそれを許してくれていた。ひとりしゃぶしゃぶは飲んだ翌日の昼飯に最高だった。その業態が食堂街に出来始めた頃で本当によくお世話になった。
 写真は「貝ジャカ」という鍋。よく洗った貝を鍋にたっぷり入れて酒2と水1くらいで炊く。アルマイトのヴィンテージ鍋でやると貝がジャカジャカいうので「貝ジャカ」という名が付いた。蛤やアサリが開いてきたら三つ葉を入れてダシを飲みながらジャカジャカ食う。味付は塩のみ。うますぎる。いい貝を使えばさらにうまくなるが高くつくからそこまで求めなくていいと思う。狩人鍋という名前の鍋もある。あー。